父の病気が判明した後我が家には不穏な空気が漂っていたらしい。
段々と体の自由を奪われていく父とそれを直視しなければいけない家族。正直、本人も辛いが家族も辛いのでどちらがという議論は論外だ。
なかなか受け入れることがどちらもできていないが病気は進行している。
受け入れるには時間が必要なのに病気はまってはくれない。
コロナの影響もあり、静かに時は過ぎていった。そう、父の部屋に実家に誰も寄り付けなくなっていた。
明るく出かけるのが好きだった父にこの病気を与えた神様はかなりのどSだ。でも、本当にこれも人生における「学び」だということをしみじみと感じる。
だが、今年からは三十路女が出戻ってまいりました!with 猫
猫のパワーはすごかった。
実家に戻った途端熱い家族からの声援を受けた。
「よく戻ってきたね、(シクシク)」といったものを想定していたが、
「猫はこの中?あらー!かわいいー!」
「猫は?」
「案外でかいな、もう少し小さいと思っていたのに」
と漏れなく全員から言われ猫に私はおまけ程度に「おかえり」と言われる程度。(まあ、年末にも帰ってきているのだから無理もないのだが。)
そして次の日も、次の日も近所に住む甥っ子と姉が仕事帰りに顔を見せるようになった。私の兄も仕事帰りにすぐにリビングへ行き猫を愛でる、食後も寝る前も猫を愛でるのだ。父の部屋はリビングと直結しているので自ずと父の部屋にみんなが行くようになった。母も家事や仕事の傍ら「かわいいー」と撫でてみたり遊んでみたり。
何より嬉しそうなのは父だと思う。父も日中家で一人の時は猫という相棒ができ、何やら喧嘩もしているが仲良くやっている。それもそうだ、猫からしてみればあまり動けない人間ほど気が許せる奴はいないだろう。(それ以外はスキンシップ激しめ)
猫のおかげで家族は再集結し、なんだか分からないけど空気がまる〜くなった気がする。ありがとう、お猫様!
因みに我が家の猫の名前は「ウリ」体の模様が猪の瓜坊に似ていたことが由来です。今は大きくなっちゃったけど、小さくて可愛かったのよ。